寒い冬は月の光も寒々と冴えわたる。満月の光に照らされた夜の庭はまるで舞台のような華やかさ。
臥し待ち月、立待ち月と日を重ねると月の出は遅くなり、やがて昨夜の夢のようなほのかな残月が朝の光の中に浮かぶ。
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昔から月への想いは多くの文や歌に綴られている。
「月見れば千々に物こそ悲しけれ
わが身一つの秋にはあらねど」
「あまのはらふりさけ見れば
春日なる三笠の山にいでし月かも」
異郷でふるさとを偲ぶ切実な思いが心に沁みる。
音楽の世界でもドビッシーの「月の光」ベートーベンの「月光」
いつ聞いても心ふるえる旋律。
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歳月という時の違いはあっても、人は皆同じ月を眺めているのだと思うと感慨深い。
「ふたご座流星群」のニュースにあるように、昨夜は星がとても綺麗に見えていた。まず目につくのは「オリオン座」「ふたご座」のカストルとポルックス。「おおいぬ座」のシリウス。「ぎょしゃ座」のカペラ。昔ははっきり見えていた「すばる」は幽かな星の固まりでそれだと判る。
歳をとって目が悪くなったのは悲しいが、寒さはさておき、星空を眺めていると歳を忘れる喜びがある。